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Department of Respiratory Medicine and Allergology, KINDAI UNIVERSITY, Faculty of Medicine

学生教育 -教育 クリニカルクラークシップ 概要―

今日の医学・医療の進歩にはすばらしいものがあり、遺伝子診断、遺伝子治療、臓器移植、核医学、クローン技術等、革新的な技術が次々に考案され、大きな成果をあげている。
一方、今は過去となったと考えられていた結核感染症が大きな社会問題ともなっており、現代社会は進歩と後退を繰り返し、人類を進化させている。


しかし、医学・医療が如何に進歩しても、その究極の目的は、病める人の苦痛を癒し、安寧をもたらすことであり、また病気の予防を通して健康と福祉を増進・追求することに他ならない。
だが、その点を探求しようとする今日の医学教育の現場では、取り扱う情報量は飛躍的に増え、学ぶべき知識量は膨大なものとなっている。
医学教育では、まず基本的な医学知識と医学技術を身につけなければならないが、最新の知識・技術もマスターしなければならない。
そのとき大事なことは学ぶべき情報量は余りにも多すぎるので、ただ知識を詰め込むというのではなく、骨格(コア)となる基本部分をマスターし、それに基づいて、ものの見方、考え方、理論的な展開法などの実践を通して学び、未知の問題に対処する方法を身につけることであろう。


我が呼吸器・アレルギー内科として最も重要と考える点は臨床実習の充実である。
すなわち、種々の基本的な臨床技術の習得、医師としての態度の養成、そして人とのコミュニケーションの形成等が重要な教育課題でことより、BSL、OSCE、クリニカルクラークシップ、学外病院実習等、臨床実習の重要性が益々高まっている。
また、文部科学省は、聴診器が使えないなど医療の基本が身についていない医師が増えていることから、「実習」の授業を大幅に増やすなど、医師を目指す学生が共通に学ぶべきことを定めた初めての指針をまとめ、公表した。
それによると、聴診器を使えないとか患者とうまく話ができないといった、医療の基本が身についていない医師が増えているのは、いまの大学の授業が専門知識を覚えることに偏っているからだとされている。
このことより我々、呼吸器内科において、聴診器を使った診断主義が重要かつ不可欠なものであり、医師の指導に従って実際に患者の診察や治療を行うようにして、病気を診断する力や患者や家族との接し方などを身につけさせることを重点的に指導することとする。
このような見地から、医学教育を行うに当たって重要なことは、医師となるための教育理念・目的を明確にすること考える。


したがって6年間の医学教育における教養教育の位置付けを明確にし、専門教育を点検し改革してその内容の充実を計ること、それぞれの専門分野を習得するための自覚、そして各学年及び6年間の医学教育の到達目標を明確にして、学生の自立心とモチベーションの高揚を計ることを求めるものである。
現在のカリキユラムは基本的には講座制をベースとして組まれているため、他講座との調整や連携、すなわち横断的な視点が弱く、教育内容に重複が多いため教員に過度の負担となっている。
また6年間の全教育プログラムの中における当該教科の位置付け、すなわち縦断的な視点も弱い。
さらに、依然として知識伝授型の講義が多く、教員から学生への語りかけと学生からのフィードバックという双方向性の授業からは程遠いものがある。


現代、我々に求められているのは、教育に対する意識改革を計ることである。

  1. 教員の本務は学生を教育することである。
  2. 教育は学生と教員の両者で行い、共に創り上げるものである。
  3. 教育の目的は学生の能力、自律性を引き出すことである。
  4. 教育システムは柔軟であるべきで、また常に点検・改革すべきである。
  5. 教育がきちっと行われていない大学には将来の発展がない。
  6. 大学の原点は教育であり、教育に始まり教育に終わる。

ということを再確認し、実行に移さなければならない。


また、6年間の教育のうち4年までは、医療の基礎的な知識や技術のほか、「医の倫理」や「患者の権利」などを徹底して教え、通常5年から始まる「実習」を前に、実技を含めた全国共通のテストを行って、一定の水準に達しなければ進級させないことを求めています。
国がこうした医学教育の指針を示したのは初めてで、文部科学省は来年からの実施を各大学に求めることにしています。